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東京で伊勢・出羽を体験!
悩める女性へ贈る『私がわたしに還る旅』

伊勢&出羽、聖地への旅を東京で体験。豪華ディナー付きイベント

音楽:小林卓史( https://dova-s.jp/bgm/play7855.html

古の風習「西の伊勢参り 東の出羽三山参り」を現代の悩める女性たちに鼓舞する『伊勢&出羽、聖地への旅を東京で体験。豪華ディナー付きイベント』が、3月22日に日本橋「三重テラス」で開催されました。
第1部では、「いせ、もうで でわ、まいる」のコンセプターであり当イベントの企画者である上沼亜矢氏と出羽三山神社の吉住禰宜、オズマガジン統括編集長 古川誠氏の3名によるトークショーと、参加者が自分を知るためのワークショップを実施。第2部では三重や出羽三山の食材を使用した豪華ディナーを堪能し、伊勢&出羽を五感で体験。

talk show

写真左から古川誠、吉住登志喜、上沼亜矢

山形と伊勢を故郷に持つ上沼氏、出羽三山神社の吉住禰宜、オズマガジン統括編集長の古川氏、それぞれの立場から伊勢と出羽の魅力を語って頂きました。

上沼亜矢氏(以下、上沼):「いせ、もうで でわ、まいる」は、ただの神社仏閣巡りの旅ではありません。人間として、日本人として生まれ変わる旅です。生まれ変わりというのは、肉体的なことでもあり、精神的なことでもあります。今を生きる私たち女性は、年齢や仕事の転機など、たくさんの境目を迎えます。男性よりもY字(分岐点)が多い人生のなかで、「本当にこれでいいのかな?」と疑問に感じたとき、「本来の自分は何を求めていたのか」ということに気づけたら、もっと幸せな自分になれます。それを私は『清廉な艶かしさ』と言ってますが、命がみずみずしく潤える、この旅はそんな旅です。

出羽三山は、五感を開き、見えないものを感じる場所

上沼:私は出羽三山のことを『時空を司る山』と言っていますが、羽黒山、月山、湯殿山、それぞれが現在、過去、未来を司っていると言われています。月山は、黄泉の国と時空を司るツキヨミノミコトをお祀りしていますが、この3つの山を訪れることで、魂が甦ると言われているのです。

古川編集長、先日は出羽三山にお越しいただきありがとうございました。旅好きな編集長として、他の土地と違うと感じたのはどんなところでしたか。

古川誠氏(以下、古川):伊勢神宮は”ここに神様がいます”とわかりやすく祀られているとしたら、出羽三山は”そこらじゅうに神様がいる”。神様の気配というか、見えないものを感じる感覚がありました。

上沼:素晴らしい感想ですね! 出羽三山にお参りに来ている方は、一人で来る女性たちが増えているのですが、実際どんな印象ですか?

吉住登志喜氏(以下、吉住):最近は御朱印ブーム、パワースポットブームもあって女性が多くなっていますが、”感じる”ということを忘れているのではないかと思います。何か言いたいけど言えない、叫びたいけど叫べない、そんな女性が多いのかなと。魂がつぶったままなのかなという印象。

上沼:くすんだアンテナをピンとさせに(出羽三山に)来たという感じですかね。

吉住:そうですね。出羽三山っていうのは、いろんなことをキャッチできる、アンテナをのばせる、そういった場所かなと。

上沼:閉じている五感を開く感覚って、開かれた時しか気づけないものだなということを私は体感したんですよね。ようは、ここに来てはじめてわかるというか……。肩こりって凝っている時はわからないけど、肩を揉まれて、痛みを感じはじめて「凝ってたんだ!」ってことがわかると思うんです。私自身、3年ほど取材を重ねていますが、ここに来た瞬間に「ハァ…(全身の力が抜けるような仕草)」という感じがありました。噛み締めていた奥歯を解く感じというか。羽黒山の石段は何回も登りましたが、キツいという気持ちより、清々しい気持ちの方が強かったです。

白装束を着て、山で修行して魂を磨く人を”山伏”といいますね。自分の内側を見つめて、自分とはなんなのか、自分の中での甦りを果たすための修行をしている人たちです。とはいえ、修行までしなくても、訪れて”感じる”ということをしたとき、本当の美しさがでてきている気がします。それを吉住禰宜は目の当たりにしてますよね。

吉住:目の当たりというか感じたことですが、皆さん、日頃から多くの重圧で、衣が何枚も何枚も重なって肩が重くなってると思います。それが山で一枚一枚衣が離れていく。全ての衣が、鎧が剥がれた瞬間は、”新なり”というか生まれたままの、赤ちゃん返りする。その時の奥底からでてくる目の輝きは、まさに女性が一番美しい瞬間ではないかなと思います。

上沼:女性が仕事をすることでそういうことが生じるのではないかと思うのですが、それって根が真面目な人が多いのかなと。私自身も「しなきゃいけない」「頼られているから、期待に答えなきゃいけない」「でも本当は疲れているんだけどな」なんて時期に、この仕事に巡りあって「ほどかれる」感覚を得たんです。

左から古川誠、吉住禰宜

現代社会は本来の自分を保ちづらい場所かも

古川:いろんななことが便利になって、なんでも答えがある現代。逆にそれが、すぐに何かがわからなきゃいけないという脅迫概念に繋がっている気がして、イライラが増えている時代だと思うですね。
便利になってわかりやすくなっているはずなのに、「遊び(あいまいな部分)」がなくなっていることによって、全て答えを出さなくてはいけないということに変換されてしまっていて。そうすると、本当に自分がやりたかったことを言いづらくなるのかなと。一度(出羽三山に)行ったくらいじゃどうこうしないだろうと思っていたんですが、実際に行ってみると、自分がそこに行かない間にも修験者の方たちが毎日毎日、何百年何千年とこの場所で素になるために追い込みをしている、その時間の積み重ねであるところにちょっとお邪魔するだけでも、その空気みたいなものは感じられるのではないかと思って。そういう意味でいうと、今の現代がとても浮いた場所なんだと思いますね。

上沼:共感します。私自身、ここに行った時に感じたのは一言で言うと「飢えてた」ということ(笑)嫌だった今までのこと、封じ込めている思いを、「そう思ったっていいんだよ」って地球が言ってくれているような、そういう感覚を受ける場所ですよね。

日本人というのは、やはり感じる生き物じゃないかなと思うんですね。日本の歴史を振り返ると、500年代中頃に仏教が大陸から海を渡ってやってきました。仏教には仏像があり、教えがあり、お寺があり、技術があるんです。つまり、目にみえてわかりやすいんです。だから、”何妙法蓮華経といえば極楽浄土に行ける”と「わかりやすく」みんなに広まっていく。それが仏教のもつメディアの力です。
日本人はここから「メディア」の力を学んだのではないか と思うのです。
でも、本質を見失うと目に見えるものしかみえなくなる。本質がわからなくて形ばかりになってしまうと、「なぜ、こんなことをしているんだろう」「なぜ、癒されないんだろう」という気持ちになってしまいます。だからこそ、感じる力を呼び覚ます必要がある現代なのかなと思います。

魂との対話が、いのちを潤し 本当の美しさが顕れてくる

上沼:出羽三山には修験という考えがありますが、吉住禰宜、これについて教えてください。

吉住:ここに(スライドショー)「見えざるものへの敬い」と書いてありますが、まさにその通りで、お山には精霊が住んでいます。我々は山に入り、その力や霊力をいただくことによって、魂がどんどん充実します。それだけではなく、今度は里に帰って人に施す。そこではじめて、修験の意味が生まれてくるのではないかと。最近では女性の修験も増えていますが、昔は女人禁制でした。それには歴史があり、親から男性は強くたくましく、女性は優しくおしとやかにと育てられてきました。戦後になり教育が変わって先生から勉強しなさいと言われるように。そうすると本来の女性の本質、男性の本質が浮き彫りになってきている。実は、女性のほうが優れてて、強いんです。ですから女性は改めて修行をする必要はない。男性は一生懸命荒業を積んで強くなるというのが歴史に現れているんです。だから、現代社会において女性が強くあるというのは当たり前のことになっているんです。”感じる”というのは強くなるだけではなくて、”感謝”が生まれる。”感謝”が生まれると人は優しくなれる。すると、強さと優しさを兼ね備え、より美しくなれるのです。それがまさに、修験が現代の人に教えてくれることなのかと思ってます。

上沼:なかなか感じるってできないことですよね。わたしも「男化してたなぁ」と出羽三山にいく前までの自分をそう思います。感じるというのは、理由がないこと、言葉ではない直感ですね。

その直感は遥か昔にも存在していました。
もともとはアマテラスオオミカミは奈良に祀られてました。しかし、病院や衛生の技術がないなか疫病で多くの人が都で亡くなりました。天皇はこんなところにアマテラスオオミカミをお祀りしていてはいけないと悟り、娘のヤマトヒメノミコトに御神宝を託して、新たな聖地を探す旅をさせました。ヤマトヒメノミコトはいろいろな場所を巡っては、「ここがいい?」とアマテラスに聞くわけです。そして最終的にアマテラスが選んだのが伊勢の地です。日本書紀には「うましくに」と記されています。アマテラスが伊勢の地を選んだのは、命の海が関わっているように思います。母の羊水のような、潮が満ちて「このまま埋もれてしまいたい」と思うような、優しくて心地が良くて、でも力強い海。わたしは、羊水にいたときの記憶のような、そんな感覚を覚えました。

海と羊水の関係性みたいなところは、修験にもありますよね。

吉住:湯殿山は滝行をする場所なんですが、男性と女性が一緒に入ると、男性は滝に弾かれ、女性は自然の力によって受け入れられるんですよ。それが顕著に現れるのですが、滝の水にずっと入っていると、女性はどんどん観音様のように見えてきて、その瞬間に水がシュワシュワシュワっと。まさに、お母さんのお腹の中にいた時はこんな音がして安心するのかなと感じました。

感じるものを「見える化」した、それが伊勢

7歳〜18歳まで伊勢で過ごしていた経緯をもつ上沼氏

上沼:アマテラスオオミカミがご鎮座する伊勢神宮は、20年に一度、遷宮といって、西から東へ 東から西へ 神様がお引越しします。西と東に同じ御敷地があり、隣のお社を見本にして、次の20年のお社を作るんです。人生50年もなかったかもしれない太古の時代に、20年に一回遷宮をすれば、生きてるうちに次の人にスピリットを繋げられる。そんな趣旨だったのだと思います。こうして、伊勢神宮は遷宮をしながら2000年以上の歴史を紡いできました。

古くなったお社は解体され、心御柱(しんのみはしら)が置かれます。これを古殿地(こでんち)といいますが、「次の20年はここだよ」と未来を示しているんです。”古くなりきる前に新しく”、これを常若と言います。「永遠に近づこう」ということなんです。そんな崇高なビジョンを持つ伊勢神宮の遷宮ですが、神を祀るところまで幾重にも垣根があり、中には入れません。これには人間国宝の方々も多く絡んでいますが、「私が作りました」とは言ってはいけない。言わないことによって、芸術家のモノづくりへの真摯な向き合いが高まっていくそうです。すなわち技術の伝承なのです。

ここまでの話だと、伊勢はまるで形をつないできたと思われますが、本来、伝えているのは「見えないものを感じる」ということです。アマテラスは海で感じてここがいいと言ったわけです。そのスピリットをカタチを通じて残そうとした、だから感じたことを形に表す。ご朱印を集めたい、神社にとりあえずお参りにいきたいってことだと、なかなか見えるものでしかなくなりつつありますよね。けれど、戦後生まれた私たちは神様という教育を受けずに育っているのに、なぜか神社に行きたくなります。それは、見えないものを感じる力を呼び覚ましたいからなんじゃないかなと。

「感じる力」を呼び覚まし、ありのままの自分に還る旅

上沼:出羽三山の羽黒山には、五重塔があります。この五重塔は、ただの建築物としてみるのはもったいない。魂を受け継ぐ、気の高い場所であれという目印です。

吉住:五重塔は全国にありますが、ほとんどが煌びやかな装飾で「見てください」というふうに作られたものが多いです。羽黒山の五重塔は、約700年の歴史がありますが、木に囲まれながら木と一緒に育ってきました。まるで生きているかのようで、自然の刹那のようなものを皆さんに教えているのかなと思います。
かの松尾芭蕉も(羽黒山を)訪れましたが、『奥の細道』では一切、五重塔を語っていないんです。素晴らしいところでありながら、「ここには何か意味がある」と感じたんでしょう。神様が、実際に訪れて、目で見て、感じて、与えてくれているように思えます。

上沼:山そのものが神である、目印のような感じもしますね。
感じるものをありのままに残している出羽三山に行くことで、魂をほぐし、魂を「美」でつないだ伊勢神宮で「カタチの奥にあるもの」を見て、その感性を目覚めさせる。伊勢と出羽の両参りはそういう旅ではないかと思います。

感覚を開くというのは自分1人ではできないことです。そのために、山があり、海があり、大地があり、川がある。それを知っている日本人というスピリットにたどり着くことで、もっとありのままの私というものを取り戻す。ただの神社仏閣巡りではなくて、「私がわたしに還る旅」ということで、これからもご案内を続けていきたいと思います。

event photo

  • ステージ左は「月読命」の出羽三山、右は「天照大神」の伊勢を表現

  • 上沼緋佐子の泥釉七宝作品『伊勢・月山』

  • ワークショップでは、各々が自分の人生を振り返りペンを握る

  • よみがえりノートに向き合う姿は、真剣そのもの

  • 1階レストランにて、伊勢・出羽を味覚で体感する参加者

  • 彩鮮やかな食材を使用した豪華ディナーに舌を巻く

  • 参加者には伊勢・出羽ならではの品を贈呈。(写真左から)伊勢二見の海の塩を用いた「汐風」、出羽三山の鏡池の鏡をモチーフとした「古鏡」、オリジナル御朱印帳、お伊勢参り「参宮の木札(戌年)」

  • 乾杯は、キハダエキスを垂らしていただく『よみがえりドリンク』

  • 伊勢春慶の器に盛られた、三重・出羽三山を感じる前菜5種

  • 山形、三重の野菜をたっぷり使ったミネストローネ

  • 旬野菜のミックスサラダ 干し柿のドレッシング

  • 伊勢海老のリングイネ トマトクリームソース

  • 伊勢パールポークのロースト 桜の葉とケッパーのソース

  • 伊勢特産 キンコ芋のティラミス

上沼 亜矢

株式会社Happy Produce Ben-ten 代表取締役
山形生まれ、伊勢育ち。東北芸術工科大学でプロダクトデザインを学び在学中からセールスプロモーションに携わる。卒業後はイベント(広告)の運営ディレクターを経て、現在はコンセプトワークを中心に企画を重ねる。今回の「いせ、もうで でわ、まいる」のコンセプターであり、伊勢と出羽を拠点に七宝作家をしていた上沼緋佐子の娘として、貴重な作品の伝道者としても活躍中。

吉住 登志喜

出羽三山神社 祭儀部部長・企画弘報室室長・禰宜。山伏。
神に祈請を行い、祭祀に専従する者として、出羽三山神社に参拝に訪れた人と直接触れ合い、多くの参拝者の心を和ませている。

古川 誠

スターツ出版株式会社 オズマガジン統括編集長
2008年より雑誌「オズマガジン」の編集長を務め、10年目の今年より統括編集長に就任。